山形県》かみのやま温泉
■展望露天の湯 有馬館
(テンボウロテンノユ アリマカン)
Tenbo_roten_no_yu ARIMAKAN
〒999-3141
山形県上山市新湯6-5
TEL:023-672-2511
▼貸切風呂の数DATA
貸切露天風呂:2
貸切の内風呂:3
部屋付き露天風呂:0
部屋付き豪華内風呂:0(2)

▼貸切風呂ココがPOINT!

「有馬館」の貸切風呂の泉質は、「ナトリウム・カルシウム−塩化物・硫酸塩泉」。
無色透明の湯で、よく温まり、皮膚病にもいいとされる、薬効豊かな温泉だ。
この宿の貸切風呂は全部で5つ。
そのうちの2つが貸切露天となっており、宿(B1〜7F)の屋上にある男女別の展望露天風呂を、時間帯を区切って貸切露天風呂としている。
地上23mの高さゆえ、かみのやま温泉全体を見渡せる眺望が自慢だ。

「天空」、「天星」と名付けられた2ケ所の湯浴み処は、この宿の代名詞的な存在。
四季折々に様相を変える山々を一望しつつ、そこから吹いてくる山の風も、屋上の露天風呂ゆえ、ダイレクトに伝わってくる。
貸切タイムは、18:00〜24:00となっているので、街並みの夜景を見ることになる。
もともとが、男女別のお風呂だから、広さも申し分ないが、開放感も素晴らしい。

湯舟の中に東屋、テーブルを配している造りもユニーク。
貸切できる夜の時間帯は、満天の星空を見ながらの湯浴みも楽しい。
利用には事前予約は必要なく、チェックイン時に希望時間をフロントに告げて、先着順に予約ができる。
30分無料で利用できるシステムとなっている。

3つの貸切専用のお風呂は、2010年7月にデビューした。
それぞれ個性的な造りの貸切風呂になっている。
利用料金は、それぞれ30分間で1,050円。
延長は15分毎に525円となる。
事前に電話での予約もできるが、空いていれば、当日フロントにて申し込むこともできる。

まずは、とっても印象的で個性的な貸切風呂「パムッカレ」。
言わずと知れたトルコの世界遺産の「自然・複合遺産」に1988年に登録された「ヒエラポリス・パムッカレ」をモチーフにしたお風呂。
「パムッカレ」は、トルコ語で「綿の城塞」という意味。

幾重にも重なった、炭酸カルシウムでできた、真白な石灰棚には、石灰成分を含む約35℃の温泉水が、100mの高さから山肌を流れ落ち、長年の浸食作用によって、幻想的な景観を作った。
その絶景の虜となった古代ローマ人は、紀元前190年に、その石灰棚の上に古代温泉都市「ヒエラポリス」を築いた。
サウナ付きの大浴場や円形大劇場、凱旋門、そして上下水道も整備され、歴代のローマ皇帝もよくこの温泉郷に足を運んだという。

しかし、何度も大地震に襲われ、古代都市は、温泉に沈む。
現代に残る石灰棚は、現在、水質保全などの問題で、入浴規制がされているが、その石灰棚の湯舟に似せて作ったのが、「有馬館」の貸切風呂なのだ。
本物に近いイメージにしようと、湯舟の底を青く塗り、白とブルーのコントラストを狙った造りは、この貸切風呂を予約したお客を笑顔にする。
実際の「パムッカレ」とは、規模は小さいが、その遊び心に拍手したい。
浅い浴槽もあるので、赤ちゃんの湯浴みにもよく、ファミリーにも人気の貸切風呂となっている。

続いても、個性的な貸切風呂「貴宝石立湯」。 貴宝石とは、およそ3000万年前の地球造山運動エネルギーを吸収し、再放出している日本の南アルプスで発見された天然石。
自然界で最高レベルの遠赤外線効果とマイナスイオンの効果があると言われている。
この貴宝石を用いた湯舟の風呂は、日本でこの宿が初めてらしい。
血行促進、自律神経の調整、細胞の活性化、解毒・排毒作用、体内のコラーゲン合成作用など、様々な効果が期待できるとの事。
湯がミルキーな乳白色になっているのは、ナノバブル機能によるもの。
ナノレベルの極小の気泡が、シルクのように体を包み込み、全身の温浴効果を高めてくれる。

浴槽が深く、120cmの立ち湯になっているのも個性的だ。
記念撮影用のデジカメのミニ三脚が用意されているのも、この宿ならではのサービス。
くれぐれも、撮影後は、カメラを忘れないように・・・。

ちなみに、日にち限定となるが、「パムッカレ」と「貴宝石立湯」は、隣りの客室とコネクティングし、温泉風呂付きの客室としてプランを出すことがある。
公式HPを参照していただきたい。

3つめの貸切風呂「やわらぎ」は、バリアフリーに特化した湯浴み施設。
浴槽内にまでしっかり備わった、左右の手すりや、入浴用の椅子など、充分な装備となっている。
段差のない入口で、湯舟の手前まで車いすで行くこともできる。
子ども用の玩具や、ベビー籠も用意されているので、ファミリーにも嬉しい備えとなっている。

▼画像集
貸切&客室露天風呂1
貸切&客室露天風呂2
施設&大浴場1
施設&大浴場2
客室
料理
お土産&その他

▼宿泊情報
【IN】15:00
【OUT】10:00
【通常料金】
\9,800〜(休前日+\3,000〜)
【カード使用】
【夕食】和食会席膳
【朝食】和定食
【部屋食】夕朝

▼貸切風呂情報
【貸切料金】
宿泊の場合貸切展望露天風呂は無料(30分)
3つの貸切風呂は¥1,000/30分
【利用時間】
24時間
【貸切風呂の予約方法】
チェックイン時

▼施設情報
【部屋数】
和24室(バストイレ付き18室/トイレ付き6室)
和洋10室(バストイレ付き10室)
洋1室 (バストイレ付き1室)(210名)
【駐車場】
60台
【施設】
宴会場・カラオケ・ラウンジ・喫茶室・売店

▼泉質・効能
【泉質】
ナトリウム・カルシウム−塩化物・硫酸塩泉(低張性 弱アルカリ性 高温泉)
旧泉質名:含石膏−弱食塩泉
【源泉の温度】
69℃
【湧出量】
約50リットル/分
【源泉の湧出状況】
旅館組合で集中管理して各旅館に分配される源泉(上山3号源泉)
【加水/循環ろ過】
「金の湯」の信楽風呂:加水をしない源泉100%かけ流し
その他の温泉風呂は、源泉かけ流し+循環を併用
※客室のバス:水道水
【加温】
あり(温度調節のため)
【消毒】
あり(レジオネラ菌対策で塩素系薬剤を使用)
【浴槽の掃除の回数】
1日1回
【入浴剤】
男女別大浴場「浪漫湯」内の貴宝石風呂には、貴宝石パウダーを入れている。
【効能】
動脈硬化症、慢性婦人病、虚弱児童、慢性皮膚病、切り傷、やけどの他に一般的な適応症(神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進)
【湯の色】
貸切風呂「貴宝石立湯」と男女別大浴場「浪漫湯」内の貴宝石風呂は乳白色。その他は無色透明。
【飲用】
飲用可
飲泉所あり
【飲用の効能】
糖尿病、痛風、肥満症、胆石症、慢性胆のう炎、慢性消化器病、慢性便秘
【におい/味】
やや塩味と苦味あり、無臭

▼日帰り貸切情報
【料金】
¥2,100/30分 (※貸切料は風呂単位。日帰りの入湯税¥75 )
【利用時間】
11:00〜16:00、18:00〜22:00
【食事付きプラン】
あり

▼こだわり情報
【近くのコンビニ】
クルマで3分
【携帯アンテナ】
ドコモ(MOVA):3本
ドコモ(FOMA):3本
ソフトバンク:3本
au:3本
【冷蔵庫】
スイッチ付き自動計算(持ち込みのドリンクを入れるスペースあり)
※一部空の冷蔵庫の設置のお部屋あり
【その他情報】
シャンプー:◎
リンス:◎
リンスinシャンプー:×
ウォッシュトイレ:◎

▼CHECK!
「展望露天の湯 有馬館」を紹介するにあたり、まずは、かみのやま温泉の成り立ちを記述しておこう。
開湯は長禄2年(1458)のこと。
肥前の国(現在の佐賀県)の月秀という旅の僧が、沼地に湧く湯に一羽の鶴が脛(すね)を浸しているのを目撃する。
その鶴は、傷が癒えた後、一声鳴いて飛び去っていった。
そこから、この温泉は「鶴脛(つるはぎ)の湯」と呼ばれるようになったという。
上山と書いて「かみのやま」と呼ぶ。
山形の上手(かみて)に位置することから、昔は「上の山形」と呼ばれていたが、 長いために縮めて「上山」になったらしい。
戦国時代に、この地を領地とした最上義光と争った伊達政宗は、「かみのやま」と平仮名で書いた。
また、地元出身の歌人・斎藤茂吉は「上山、上の山、上ノ山」と3種類を使ったという。
最近では、平成4年の山形新幹線開通に合わせ、最寄の駅名が「上山駅」から「かみのやま温泉駅」 と変更したことで、「かみのやま」と表記されることが多くなった。
幾通りにも読める地名だから、地元の人たちも、その表記については苦労の跡が見える。

その後、1535年(天文4年)に築城されたのが、上山城(別名:月岡城)。
この上山城は、かつて出羽国を統治した最上氏の、最南端の城塞であった。
戦国時代、この地は羽州街道と米沢街道の交差する要所であり、最上氏はこの地で何度も、当時、伊達氏と攻防戦を繰り広げた。
石田光成率いる西軍と、徳川家康率いる東軍の天下分け目の戦い、いわゆる関ケ原の合戦のさ中、もうひとつの北の関ケ原と呼ばれた戦い・・・上山城が山形城の最終防衛ラインのひとつとなり、最上義光が直江兼続率いる上杉勢を食い止めた場所となった。

城として完成に至ったのは江戸時代。
月岡・天神森にそびえる壮麗な城郭は、「羽州の名城」として知れ渡った。
この地に上山城が置かれ、城下町、そして温泉地として栄え、奥羽諸大名の参勤交代の宿場町として賑わった。
温泉は、上山藩が管理し3ケ所の共同浴場を開設。
湯治客だけでなく、羽州街道の旅人や住民まで解放し、町は活気に満ち溢れていたという。
なお、上山城だが、残念ながら1873年(明治6年)、廃城令により、取り壊されてしまう。
しかし、現在、城跡は月岡公園および月岡神社境内となり、1982年(昭和57年)に再建され、二の丸跡に3層の模擬天守が建立された。
模擬天守の内部は、郷土歴史資料館として利用されており、映像など多彩な展示方法を取り入れた郷土歴史資料館となっていて、季節によって、雛人形展や鎧などの収蔵品展、刀剣展といった催しが行われている。
併設した月岡公園は、桜の名所となっており、蔵王の眺めも豊かな、地元の憩いの地にもなっている。
今でも、上山城を中心とした城下町の湯町地区(「鶴脛(つるはぎ)の湯」のあるエリア)や、「有馬館」のある新湯地区には、復元された城郭のほか、旧武家屋敷など、藩政時代の名残が見られ、往時の面影を残す蔵や屋敷が点在している。
「有馬館」から徒歩3分ほどのところには、200年ほど前に建てられた武家屋敷が4軒並んでおり、藩校時代の中級武士の暮らしぶりを偲ぶことができる。
こうして、この地は、湯治場として栄えたが、1783年(天明3年)に、湯町を家中地(藩士の居住地)と定め、従来の湯持者を軽輩の家臣に取り立て、湯宿の営業が禁止された。
以来、1871年(明治4年)の廃藩置県まで、温泉場としての機能は失ったままとなる。

しかし、文明開化の時代になり、家中地としての束縛が解かれると、温泉場として復活を遂げる。
特に、1901年(明治34年)の奥羽本線鉄道の開設後は、商店が軒を連ねるようになり、急速に繁華街になっていった。

1921年(大正10年)、5月に新湯地区で新たな温泉掘削が成功する。
上山温泉では初の、毎分216リットル(当時)もの大量湧出井戸であったという。
この温泉を掘り当てた須藤清蔵(すとうせいぞう)氏は、同年10月に宿を創業。
「有馬館」の誕生であった。
この時の温泉掘削の写真は、男女別大浴場「浪漫の湯」の前に掲示されている。
昭和初期になると、湯町の旧湯街に対して、新しく温泉街が形成され、新湯、湯町、十日町、河崎、高松、葉山の6つの地区に湧く温泉を総称して「かみのやま温泉」と呼ばれるようになった。
その後、東山温泉(福島県会津若松市)、湯野浜温泉(山形県鶴岡市)とともに、奥羽三楽郷に数えられるようになった。

「有馬館」という屋号の由来が面白い。
このお湯が採掘された時に、初代女将が兵庫の有馬温泉で湯治中であったことに端を発し、午年生まれで馬頭観音を信仰していたこと、その延長で馬グッズを収集していたことから命名したとの事。
また、当時は「〇〇館」や「△△家」という旅館が多く、ハイカラなイメージだったという。
こうして名付けられたのが、「有馬館」なのである。
創業時の客室数はたった6室のスタートだったが、その規模を考えれば湯量豊富な温泉旅館として親しまれた。

戦後、疲弊した日本が復興してくるにつれ、観光客の数も右肩上がりに増えていく。
それに伴い、宿の規模も大きくなっていった。
1959年(昭和34年)には東館を増築し、全15室に。
1969年には、南館を増築。全19室。
3年後の1972年。別館を増築し、全23室。
1980年には8階建ての本館を増築し、全32室となり、屋号も「ホテルニュー有馬館」となる。

1989年(平成元年)の4月には、東北地方初の温泉管理完全自動化システムを導入。
並びに、アメリカン・スパ(噴流・泡風呂)の導入も果たす。
最先端の技術を積極的に取り入れていくのは、この宿の伝統のようである。
1992年(平成4年)には、待望の山形新幹線が通り、停車駅となる。
そして、翌年の1993年10月には、宿のシンボルとも言える展望露天風呂がオープン。

屋号も、今と同じ「展望露天の湯 有馬館」に改称した。
1980年代後半から、露天風呂ブームが来ていただけに、この宿の人気も一段と高くなっていった。

1997年には、全47室までになったが、それ以降は個人旅行者にも快適に泊まれる宿へと変貌を遂げる。
この頃、初代仮面ライダーでお馴染みの、俳優・藤岡弘、さんが宿を訪れたとの事。
当時は、セガサターンのCMキャラクター「せがた三四郎」で、話題沸騰の頃だ。
その2年後の1999年、宿の代表は、2代目の清雄(きよお)さんから、息子の信晴さんへと受け継がれた。

ここで、三代目社長の須藤信晴さんの経歴に触れておこう。
生年月日は、1955年(昭和30年)10月10日。
歌手の郷ひろみと全く同じ日に生を受けた(本人談)。
上山の温泉に浸かりながら成長した信晴さんは、将来の社長業のために、国際観光専門学校の観光経営学科に入学。
在学中は、スイスのチューリッヒにあるホテル「エンゲマット・ホッフ」で海外研修を行った。
また、熱海や箱根の観光ホテルでアルバイトもし、忙しい学生生活を送る。
専門学校を卒業した1976年(昭和51年)、山形へ帰郷して「有馬館」へ入社。
その後、信晴さんは、将来女将となる生涯のパートナーを探し始める。
しっかりとした、気の強い女将さん気質の女性で、なおかつ美人、そして背の高すぎない人を探していた。
そして、山形県庁に勤務していた佳子(よしこ)さんと知り合う。

探していた条件にぴったりで、信晴さんは一目でこの人だと感じたという。
27歳の時に結婚し、以後4人の子宝に恵まれた。
今でも、ある程度規模の大きいこの宿が、アットホームな雰囲気を醸し出しているのも、仲睦まじい信晴さんと佳子さんに因るものかもしれない。

須藤社長は、穏やかな物腰で、ユーモアたっぷりに話す、魅力溢れる方。
だから、彼の周辺は、理由なく明るくなる。
感じのいい人・・・そんな表現がぴったりくるキャラクターの持ち主なのだ。
それでいて、ユニークな発想を持ち合わせている。
あまり常識には囚われず、いいもの、いいアイディアはすぐに取り入れる。
2008年の取材の折に、屋上の展望露天風呂を、時間限定で貸切するように、進言したところ、すぐに実行に移した。

そのスピード感は、同じ業界の社長さんは見習う点は多いだろう。
お客が喜ぶような事は、すぐに実行する。
そんな基本姿勢が、須藤社長のモットーとなっているようだ。
その最たるものが、貸切風呂「パムッカレ」。
「パムッカレ」は、トルコにある複合世界遺産に登録された「ヒエラポリス−パムッカレ」の温泉石灰華段丘をイメージしたもの。
自然が造り上げた乳白色の石灰棚と、その中に入った温泉をモチーフに、貸切風呂を作ってしまった。

制作業者は、あの東京ディズニーランドのアトラクション設備を手掛けている会社に発注したらしいが、当初は湯舟の水漏れなどに悩まされたらしい。
そりゃそうだ。アトラクションは作っても、お風呂は初めてのはずだったから(笑)。

須藤社長が、まだ20代の頃、スイスのホテルに研修に行っていた時に、休暇でこのトルコのカムッパレを実際に見て、感動し、こんな温泉をいつか自分の宿に作りたいと誓ったのだという。
それからおよそ30年、ようやく2010年に、念願かない、この貸切風呂を完成させた。
こんなファンタジックな風呂は、日本中探してもなかなかお目にかかれないはずだ。
須藤社長の、「第一にお客を喜ばそう」という想いが、この風呂に凝縮されているように見える。

このように、須藤社長の顧客第一主義とサービス精神は、従業員はもちろん、宿全体の雰囲気に影響し、結果、「有馬館」は、かみのやま温泉屈指の人気旅館となった。
その証拠に、大手予約サイト・じゃらんnetで、東北地区の売れた宿ランキング第1位(11〜50室部門)を何度も受賞している。
2010年には、「パムッカレ」のほか、新しく2ケ所の貸切風呂が完成し、客室総数は全35室となった。
バリアフリーの貸切風呂「やわらぎ」には、須藤社長の強い想いが込められている。
片足が義足だった亡き義父を思い、設計したという。
体のことを気にして温泉に入ろうとしなかった義父に、どんな風呂ならば入ってもらえるか、検討に検討を重ねて完成した貸切風呂なのだ。
「貴宝石立湯」は、以前から注目していた「貴宝石」を浴槽にした立ち湯。
全国の温泉旅館の中で、貴宝石を使用した湯浴み処は、初めての試みとなった。
遠赤外線効果と天然ミネラルにより、自然治癒力を高めてくれるという。
そして、美肌効果も期待できるものらしい。

須藤社長は、自分の宿だけでなく、この温泉地が盛り上がるよう努力を惜しまない。
山形県旅館ホテル衛生同業組合の専務理事、かみのやま温泉旅館組合の副組合長、上山市観光物産協会副会長などを歴任してきた。
最近では、上山市で温泉クアオルト事業=「質の高い滞在型温泉保養地づくり」を進める中で、「健康」「環境」「観光」の3要素をキーワードにした「EVエコタウンプロジェクト」に取り組んでいる。
電気自動車(EV)用の充電インフラの整備、EVタクシーやEVレンタカーによる市内観光などを計画。
“空気がきれいな温泉クアオルトのまちづくり”を掲げ、観光施設や宿泊施設で、人も車も思いっきり充電できる、ゼロエミッション型の観光地を目指しているのだという。 もちろん、この宿の駐車場でも、EV車が充電できるようになっている。

宿の公式HPを見ると、宿泊プランを様々打ち出している。
柱は、基本プランとグレードアッププラン。
その他、フルーツ盛り合わせが付いて、22時間ステイができるカップルプランや、お一人様プラン、素泊まりプラン、日帰りプランなどがある。
貸切風呂を独占し、客室とコネクティングできるプランも、日によって用意している。
公式HPから直接予約を申し込むと、1部屋につき1,000円の館内利用券がプレゼントされる。
これは、館内設備の利用料(貸切風呂やカラオケ、オプション料理、売店等)のほか、宿泊料の一部としても利用できる。 直接、公式HPで予約した方がお得なようだ。

「有馬館」は、非常のバランスの取れた湯宿だと思う。
何かのお祝いや記念日旅行にもいいし、友達同士の楽しい休暇にもいい。
温泉は自家源泉で豊富だし、風光明媚な露天風呂や、バラエティ溢れる貸切風呂もある。
楽しい思い出となる要素が満載の宿なのだ。
そして、須藤社長の言葉によると、「有馬館が目指すべきは、グリコのような旅館」とのこと。
つまり、“美味さと健康”が、この宿のテーマなのだ。

美味しいと言えば、旅館の楽しみである料理。
部屋食にこだわるのも、この宿のスタイル。
料理を各部屋に運ぶことは、それだけ非常に手間もかかり、人件費も相当なもの。
それでも、自分の客室でゆっくり食事をしたい人のために、この宿は、頑なに部屋食を守っているのだ。

東北らしい長閑で鄙びた風情の中、須藤社長の人柄がそのまま乗り移ったような、朗らかな雰囲気にあふれた館内に流れる雰囲気は心地よく、心おきなく寛ぐことができる。
そして、宿泊料金を考えれば、そのコストパフォーマンスに驚愕するだろう。
1万円台の料金で、これだけゆったりできるという事は、まさにそれだけでこの宿の良心を感じる。
専門家ぶった旅館ツウを自称する輩や、源泉100%かけ流しでなければ温泉ではないと、薀蓄をたれる温泉評論家にとっては、この「有馬館」のような箱型の湯宿は、まったく眼中に無いのかもしれない。
しかし、この大不況の中、日本各地で温泉旅館が静かに営業を止めているところが増えてきた。
それは、なぜか私には、一部評論家に乗せられた「今のままでいい」「この雰囲気を守ってください」と、いわゆる、おべんちゃらをそのまま聞いて、何も宿に手を入れない、または客が来ないのは景気のせいだと思い込ませているところがあると感じられるのだ。
実際、そういう宿は、温泉を豊富に持っているところが多い。
つまり、客は温泉ばかりに注目しているだけでなく、客室、料理、そしてサービスなど、トータルで宿選びをしているのだ。 温泉だけよくても、他がダメであれば、支持されないという事なのだ。
その点、「有馬館」は前述のように、バランスがいい。
すべてが平均点以上で、料金も手ごろ。
文句の付けようがない。
一泊二日の日本人の基本的な宿泊スタイルもいいが、この宿では、日程の余裕のある人は、二連泊以上をしていただきたい。 さらに、この宿の素晴らしさを実感、体感できるはずだ。(JIN)

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