野の花亭こむらさき 静岡県》南伊豆・下田温泉
■野の花亭こむらさき
(ノノハナテイコムラサキ)
〒415-0036
静岡県下田市西本郷1-5-30
TEL:0558-22-2126
▼貸切風呂の数DATA
貸切露天風呂:0
貸切の内風呂:0
部屋付き露天風呂:5
部屋付き豪華内風呂:0

▼貸切風呂ココがPOINT!
「野の花亭 こむらさき」の客室すべてに専用の露天風呂(伊豆石)と内風呂(檜)が備わる。 しかも露天風呂は下田の温泉を引湯して、源泉かけ流しとしている。泉質名は弱アルカリ性の単純温泉。肌にしっとりとなじむ。 そして、「温泉」「真湯」「水」のそれぞれの蛇口が付いているので、お好みの温度調節ができるのが嬉しい。もちろん、お湯をリサイクルする循環ろ過装置は使っていない。 広々としたテラスに客室露天風呂とはなかなか贅沢なシチュエーションだ。 緑豊かな庭園を眺めながらの湯浴みは格別と言える

▼画像集
貸切&客室露天風呂1
貸切&客室露天風呂2
施設&大浴場1
施設&大浴場2
客室
料理
お土産&その他

▼宿泊情報
【IN】15:00
【OUT】12:00
【通常料金】
\36,750〜(休前日+\0)
【カード使用】
【夕食】季節の懐石〜こむらさき流
【朝食】朝食の内容:和食(白米・玄米)、朝粥(海の粥、畑の粥、白粥、薬膳粥)
【部屋食】夕朝

▼貸切風呂情報
【貸切料金】
宿泊の場合-
【利用時間】
-
【貸切風呂の予約方法】
事前予約(宿泊予約時)

▼施設情報
【部屋数】
和5室(バストイレ付き5室) 露天風呂付き部屋:5室(25名)
【駐車場】
8台
【施設】
売店・(清酒処、食事処(ランチのみ)

▼泉質・効能
【泉質】
単純温泉(弱アルカリ性・低張性高温泉)
【源泉の温度】
55.2℃
【湧出量】
16.2リットル/分
【源泉の湧出状況】
温泉供給会社から買う源泉
【加水/循環ろ過】
○客室の露天風呂:加水をしない源泉100%掛け流し、加温はOK ○客室の内風呂:水道水を使用
【加温】
なし (詳細:お客様がお湯を加えて熱くすることは可能。また冬の時期ではたまに加温する場合あり。)
【消毒】
なし
【浴槽の掃除の回数】
1日1回
【入浴剤】
未使用 (詳細:ただし季節によって生の菖蒲やゆず、菊の葉などを入れる事はある)
【効能】
リウマチ性疾患、運動器障害、神経麻痺、神経症、病後回復期、疲労回復
【湯の色】
無色・透明
【飲用】
不可
【飲用の効能】
-
【におい/味】
無味無臭

▼日帰り貸切情報
【料金】
-
【利用時間】
-
【食事付きプラン】


▼こだわり情報
【近くのコンビニ】
徒歩5分
【携帯アンテナ】
ドコモ(MOVA):
ドコモ(FOMA):3本
ソフトバンク:3本
au:3本
【冷蔵庫】
利用した分だけ申告(持ち込みのドリンクを入れるスペースあり)
【その他情報】
シャンプー:◎
リンス:◎
リンスinシャンプー:×
ウォッシュトイレ:◎

▼CHECK!
伊豆・下田といえば、伊豆半島の東海岸の南部に位置し、南伊豆の玄関口として人気のエリアだ。
歴史から見ると、江戸時代、幕末のペリーによる黒船来航(1853年)の舞台としてあまりにも有名な土地でもある。あの吉田松陰がその黒船に乗り込んで密航しようとしたこともあった。

そんな古くから発展してきた下田港に近いこの地に、ひっそりと佇むこぢんまりした隠れ宿があった。
その宿の名は「野の花亭 こむらさき」。たった5室のみの施設だ。
特徴的なのは、この宿には大浴場はない。しかしながら、すべての客室に露天風呂が備わっている。
その露天風呂から見える庭には、小さな川も流れ、多くの木々や植物が生い茂っている。
花の咲く木としては、コムラサキ、野ぼたん、河津桜、ヒマラヤ桜、ソメイヨシノ、大島桜、山ぼうし、ハナミズキ、夾竹桃(きょうちくとう)、金木犀(きんもくせい)、山茶花(さざんか)、椿、ウツギ、紫陽花(あじさい)、ヤナギイチゴ、萩、コブシ、マンサク、ヤマブキ、芙蓉、ユキヤナギ、コデマリ、ムクゲ、藤、キンシバイ、キブシ、シャクナゲ、アセビ、ドウダンツツジ、クチナシ、ツツジ、サツキ、エニシダ、ボケ、ニオンバンマツリ、マユミ、夏椿・・・など多種にわたる。
その他、栗、柿、アケビ、桑の実、椎、クスノキ、樫、榎、モミジ、カエデ、竹などの木々もある。
草花も、アザミ、イソブキ、ノギク、イソギク、タンポポ、オオバコ、スミレ、キジムシロ、ユキノシタ、シラン、ヤブラン、ヒオウギ、ヒガンバナ、ホトトギス、シャガ、ギボウシ、ノカンゾウ、アマドコロ、ナルコユリ、キチジョウソウ、ツユクサ、ウラシマソウ、チカラシバ、ナデシコ、サラシナショウマ、マツヨイグサ、ミツバ、ハンゲショウ、ミズヒキなど。
これだけの種類の木や草花を、敷地内にほどよく配置し、伊豆急下田駅から徒歩3分という街中にありながら、この緑によって建物が包み囲まれ、そのせいもあって館内は静寂そのものなのである。

「野の花亭 こむらさき」の5室には、すべて宿名にあるとおり、「こぶし」「むらさき」「らん」「さくら草」「ききょう」・・・と野の花の名前が付けられている。 その頭の文字を並べると「こ・む・ら・さ・き」となる。そんな洒落のきいた客室は前述のように、すべて専用の露天風呂付きとなる。
基本的な間取りは5室とも一緒で、前室2帖+本間12.5帖+次の間(掘りごたつ付き)6帖+濡れ縁+トイレ。そして檜のお風呂(水道水)と天然温泉かけ流しの露天風呂が備わる。
広々とした客室は、開放感があり、その先の庭に面したテラス(濡れ縁)に露天風呂があるというもの。
その露天風呂から見える庭園には、井戸水を掘り出して庭には小さな川が流れていた。2008年からホタルを飼い始め、季節にはホタルが舞うのを見ることができるという。
客室により、壁紙の色が客室の名前にちなんで変えられているのも面白い。
また、DVDデッキ(ビデオデッキ)も備わっていた。

夕食も、お部屋でいただくことになる。ここで取材時(2008年7月取材)の献立をご紹介しよう。
食前酒は、自家製の果実酒(しそブドウ)。先附は、トマトふわふわ豆腐。メレンゲ状になっている。
前菜は下田で水揚げされた金目鯛の燻製。サクラチップで燻したもの。その他は、明太子西瓜(皮の部分がカボスで、中身が明太子、種は黒胡麻)、茗荷寿司、とうきびと枝豆の寄せ揚げ、朝霧高原のグリーンアスパラ生ハム巻き。
先椀は、沼津港で水揚げされた鱧の葛うち。ジュンサイ(青森産)、オクラ(地のもの)も入っていた。
お造りは、下田で獲れた平目のうす造り。ポン酢か醤油でいただく。
蒸物は、鰻と南瓜の博多蒸し。ウナギは浜名湖産。カボチャは地のもの。
冷やし鉢は、涼彩そうめん。紫蘇そうめんとなっており、「野の花亭 こむらさき」のイメージカラーなのだ。天草のエビ、地のもののショウガ、ミョウガ、キュウリが載せられていた。
洋皿一の皿は2択制となる。ひとつは、伊豆牛(大仁の牛)の和風ステーキ。部位はヒレ。
もうひとつは、炙り金目鯛(下田港)のステーキ。胡麻ソースでいただく。
洋皿の二の皿は、こむらさきグラタン。この宿の定番メニューがこれだ。鹿児島産の紫芋を使った甘みたっぷりのソースの中には、ホタテ(北海道)、エビ(天草)が入っていた。デザート感覚でいただける。
しのぎは、変わり寿司。近海もののアジ、下田のサザエと山形の山芋、北海道の利尻昆布・・・を福島産のとろろ昆布で巻いてあった。
焼き物は下田のイサキ(社長がその日の朝に釣ってきたものらしい)の松の実味噌焼き。
酢の物は、蛸と甘夏みかんの甘酢かけ。タコはもちろん下田で水揚げされたもの。 食事は白米(新潟のコシヒカリ)。止め椀は山形産のなめこ汁。そして自家製のぬか漬け。
デザートは、スイカとキウイフルーツ。そして自家製アボカドシャーベット。宮内庁の元料理人が社長と友人で、その縁があって同じシャーベット製造機を譲り受けた。ちなみにアボカドシャーベットは昭和天皇のお気に入りだったそうだ。

夕食が終わると、後片付けの後、布団を敷きにスタッフがやってくるが、その後には、さらにお夜食を運んできてくれた。

朝食は和食、洋食からの2択となる。
まず、和食のメニューからご紹介する。まず、ご飯か、お粥を選択できる。この日はお粥を選んだ。お粥の中でも「海のお粥」を選択したので、上にはイクラとウニがのっていた。その他、「畑のお粥」「薬膳粥」「白粥」という選択肢もある。
おかずは、アジの開き、焼き鮭と青唐みそ添え。出汁巻き卵。ナス・シイタケ・生麩の煮物。ひじき、大根おろし。魚のゼリーよせ。そしてお漬物に豆腐の味噌汁。食後にコーヒーも付く。
サラダ(玉子、かぼちゃ、スモークサーモン、トマト)、しそジュース、木苺をのせたヨーグルト、コーヒーは洋食メニューと共通となる。

洋食のメニューは次の通り。
玉子料理は、オムレツ、スクランブルエッグ、目玉焼きの選択制となる。ジュースもオレンジジュースか、トマトジュースから選ぶ。コーヒーか紅茶も選べる。
パンは、バターロール2種でバターと自家製キンカンジャムでいただく。
オニオンスープ(ホタテ・ニンジン・玉ねぎ)、ハッシュポテトも付いた。
サラダ(玉子、かぼちゃ、スモークサーモン、トマト)、しそジュース、木苺をのせたヨーグルト、コーヒー(紅茶)は和食メニューと共通となる。

この宿にチェックインすると内回廊と呼ばれる半露天の通路を経て客室に通される。その途中には、この宿自慢の器を眺めることのできるガラス張りの食器棚もあった。器に興味のある方には楽しめる演出だ。
有田焼が多いが、月ごとに展示(保管)する器を替えているという。

食事処「きむらさき」も併設されていた。
宿泊客は基本的に部屋食だが、こちらも利用可能。また宿泊客以外でも利用でき、昼間も営業している。ちなみにランチタイムは11:00〜14:00で、お好みの小丼を3つ選んで1,000円(税込)が人気。天丼、さざえの唐揚げ丼、伊豆牛の牛丼、鮭いくら丼、釜揚げしらす丼、とろろ丼、五目ちらし丼、みそカツ丼など。その他、天ざる蕎麦やあんみつなど和のスイーツのメニューも豊富。

夜は、静酒処「青紫」で過ごすのもいい。シングルモルトやワインなどがいただけるバーなのだ。宿のオーナーとの語らいもいい思い出のひとつになるはず。

玄関には書道家・越水春汀(こしみずしゅんてい)さんの書が掲げられている。意味は「大切な人との時を大事にする宿」。この宿にぴったりとくる書といえる。

客室に通される前に、待合い処「薄紫」(ロビー)でいただくウェルカムスイーツ(2008年7月取材時)は、手作りの水まんじゅう(グリーンピースあん)とグリーンティ。宿までの移動の疲れがこの甘味で少し取れた感じだ。
その後、部屋に飾る花をここで選ぶことになる。この日は、ヒオウギ、水仙、ホタルブクロ、浜ナデシコ、磯ユリなどがあった。その他、うちわや風鈴、そしてぐい飲みもセレクト制になっていた。
さらに、浴衣や甚平、作務衣なども好きな柄で選ぶことができる。

客室内のアメニティセットも充実している。ソーイングセットも常備だ。これだけを見てもこの宿のきめ細かさを感じさせる。その他、枕なども数種類用意しており、これもお好みで選択できる。
さらに、まさかのための風邪薬、胃薬、痛み止め、絆創膏などもフロントで準備してくれる。
客室には備え付けの玩具もあった。昔懐かしいものから、オセロ、チェスなどが用意されていた。

また、「おけいこ部屋」と呼ばれる手作り体験コーナーもあった。ここでは、ちりめんで作る押花は女将さんが、自ら講師を務める。また、ペーパークラフトは社長が教える。特に、紙で作る「花のかざぐるま」は人気で、庭にその作品が飾られていた。
「おけいこ部屋」で製作された風車は館内や庭園に飾られていた。また、この風車は毎年3月20日から4月にかけて行われるイベント「風の花祭り」でも見ることができる。
それは、港が広がる芝生の「まどが浜海遊公園」に、下田市内の保育園・幼稚園・小学校・中学校の児童・生徒たちが作った10,000本以上もの風車が元気いっぱいにまわっているというものだ。

館内には趣味の店「紅紫」というおみやげ処がある。そこには、女将セレクションの和の小物がいっぱい取り揃えられていた。紙工芸や人形など、手作りのぬくもりを感じるものばかりだ。
また、「こむらさき」オリジナルの部屋名の入った茶碗や湯のみ、コーヒーカップも人気だ。宿泊の記念に求める客が多いという。


この宿の面白いところは、新規のお客にはチェックイン時に「ごゆっくりお過ごしいただくために」と題した1枚のアンケート用紙のようなものを客に書いてもらう事だ。
それは、夕食の希望の時間、飲むお酒の種類はもちろんのこと、料理を運ぶスピードなども質問にあった。
その他、枕のお好みから、歯ブラシは硬めがいいのか、柔らかめがいいのか、タバコは吸うのか、さらには翌朝の朝食の時間やメニュー(和食か洋食)まで多岐に渡っている。 必要であれば、かぜ薬、胃薬、痛み止め、痒み止め、生理用品、絆創膏も用意しているので要りませんか、爪切り、毛抜き、くし、女性用カミソリなどはどうですか・・・などと。
部屋の香りもライム、ユーカリ、ラベンダーなどからどれがいいかなどの質問もあった。

朝食時に布団はあげないか、朝刊は何がいいかなども聞いてくる。

これはアンケートではなく、もはや病院のカルテのようだが、これには宿側なりの考えのあってのことらしい。
前述のように、「こむらさき」は全5室の規模。お客が求めているのは、至れり尽くせりの接客よりも、お客はプライベートを重視していると、この宿は考えているのだ。 しかしながら、完全なほったらかしでは、お客は満足しない。何かあるとき、何か欲しいときに、できる限りの接客をするための準備が必要なわけだ。
実際に客室に露天風呂が付いていて、大浴場がないわけで、しかも食事も部屋食だから、外に出る機会がない。ほとんどの客が15時のチェックイン後は、外に出ることはないという。
だからこそ、仲居さんが部屋まで行ってお茶をいれたり、女将さんが部屋に挨拶に行ったりなどこの宿はしない。いったん部屋に入ったら、そこはお客の専用プライベートスペース。充分に寛いでもらうための配慮がこの宿にはある。

だからだろうか、「こむらさき」には著名人の宿泊が多いことでも知られている。ふだんマスコミに追いかけられているような人たちにとっては、ここはまさに、“お忍び”するにはもってこいの宿と言えるだろう。

このスタイルを完成させるまで、この宿のオーナー奥居邦保さん(昭和18年生まれ)は相当ご苦労されたようだ。「野の花亭 こむらさき」はオープンしたのは平成5年だが、それまではやはりこの「こむらさき」のあるこの土地で、「かつ家旅館」と言う名の旅館を経営していた。実際、邦保さんは宿屋としては3代目になるのだ。
しかし、その旅館は当時18室あったが大衆的な宿であった。建物も相当傷んでいた。
邦保さん本人も宿を継ぐには継いだがどうにも経営するモチベーションがあがらない・・・ということで、一念発起、新天地に引っ越してもう一度旅館を建てようと考えたらしい。
当時の日本はバブル経済の後半に入った頃だったが、なんの因果か、新しい土地ではなく、同じ下田のこの地で宿を新築することになってしまった。
土地面積は300坪だったためにもっと広い場所と考えていたが、その計算が狂ってしまったわけだ。

そこで奥居社長は、「どうせ宿を造るなら自分が泊まりたくなるような宿を造ろう」と考えた。
以前18室の旅館を、たった5室にして個人客中心の宿にしていこう。
どうせならすべての客室を余裕のある間取りにして、露天風呂も付けてしまおう。だったら大浴場も要らないだろう・・・と狭い土地ならではの発想でこの宿のコンセプトを創り上げたのだ。

それは、平成5年にオープンしてまもなく、奥居社長のコンセプトに間違いがなかったことが証明されることになった。
当時はたった5室の宿ながら、全室に露天風呂付きというのは、非常に珍しかった。雑誌などの取材を受けてから、首都圏の個人客がひっきりなしに予約をしてくるようになった。
それから現在に至るまで、リピーターの多い人気宿として知れ渡るようになるのである。

この宿は、気のきく管理人のいる別荘と考えれば、利用範囲もぐっと広がる。
思い立ったら、宿に予約をして、身軽な荷物だけで家を出て「こむらさき」で滞在する。
好きな時間に温泉に入り、夜は南伊豆ならではの新鮮な海の幸と好きな酒をいただき、ぐっすりと寝る。
こんな単純な過ごし方が一番いい。

お客のプライベートを邪魔しない・・・このシンプルな宿のコンセプトは、この宿の大いなる魅力のひとつ。
だからこそ、一方で記念日旅行のニーズも多い。実際、取材当日も新婚旅行の客もいた。
とにかく、自分の時間を大事にし、その時間を愛しく感じるなら、自分好みの過ごし方のできるこの宿はまさにうってつけと言えるだろう。(J)

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