福島県》いわき湯本温泉
■元禄彩雅宿 古滝屋
(フルタキヤ)
Furutakiya
〒972-8321
福島県いわき市常磐湯本町三函208番地
TEL:0246-43-2191
▼貸切風呂の数DATA
貸切露天風呂:2
貸切の内風呂:1
部屋付き露天風呂:4
部屋付き豪華内風呂:3

▼貸切風呂ココがPOINT!
この宿には、3つの貸切風呂(うち2つは露天風呂)と、7室の源泉風呂付き客室(うち4室が露天付き)が備わる。
それらのほとんどには、「含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉」という極上の温泉がそのまま注がれている。

3ヶ所の貸切風呂は、それぞれ特徴がある。
貸切露天風呂「五右衛門の湯」は、羽釜(はがま)を湯舟としたユニークな造りで、2010年にリニューアルされた。
「元禄の館」(本館)の9階に備わり、温泉神社をはじめ、いわき湯本温泉の街並みを一望できる。
温泉は、硫化水素臭のする硫黄泉で、源泉100%かけ流しという贅沢な仕様になっている。プライベートでじっくりと天然の湯を堪能できるのだ。
洗い場はないので、大浴場などで体を清めてから利用した方がいいだろう。

もう一つの貸切露天風呂が、「見返り美人の湯」。
貸切風呂で唯一温泉ではなく、トルマリンを溶かした循環風呂となっている。
マイナスイオン、遠赤外線、ミネラル成分が同時に作用し、理想的な温浴効果が期待できる。
温泉の刺激に敏感な方用にも使えるお風呂とも言える。
ヒバ造りの浴槽で雰囲気がいい。立ち上がれば、いわきの街並みを眺めることができる。

内湯となる貸切風呂が「千代の湯」。
ヒノキの浴槽に源泉が100%かけ流しになっており、温泉をゆっくり楽しみたい方にはいいだろう。唯一洗い場がある貸切風呂で、さらに畳敷きになっているのも特徴。
ベビーベッド、ベビーシャンプー、おむつ入れ、おもちゃなど備わり、小さな子ども連れのファミリーにオススメのプライベートバスだ。
以上3ヶ所の貸切風呂はフロントでの予約制で、45分1,000円で利用が可能。
利用時間は、チェックイン〜翌1:00と翌朝5:00〜10:00。


次に、客室の温泉についてご説明しよう。
2007年に誕生したデザイナーズルーム「花心楼」は、4室中3室で源泉かけ流しの内風呂が備わる。
湯舟は小さく、ほぼ大人一人用といった造りだが、循環なしのかけ流しのため、温泉好きには大変好評の客室だ。
浴室には明るい光が差し込み、開放感は充分感じられるだろう。
特筆すべきは、温度調節が客側に任せられている事。温泉のバルブが操作できるので、お湯の量を調節しながら湯温を自分の好みにする事が可能となっている。
車いすのまま湯舟の前まで移動できる、ユニバーサルデザインの造りも特徴的だ。

露天風呂付き客室は、「元禄の館」7階に備わった全4室。
造りはほぼ共通で、ベランダに備わったヒノキ風呂は、大人2人が一緒に入浴できそうな大きさ。
こちらはチェックインした時には、湯が貯まっていない。
自分で温泉の蛇口をひねって、源泉100%の湯を好きな温度で楽しんでいただくという仕組みになっているのだ。
水道水の蛇口も付いているが、なるべく使用せず、湯量を調節しながら出して、源泉そのままの温泉を楽しんでいただきたい。

▼画像集
貸切&客室露天風呂1
貸切&客室露天風呂2
施設&大浴場1
施設&大浴場2
客室
料理
お土産&その他

▼宿泊情報
【IN】15:00
【OUT】10:00
【通常料金】
\12,600〜(休前日+\3,150)
【カード使用】
【夕食】和食膳
【朝食】和風バイキング
【部屋食】

▼貸切風呂情報
【貸切料金】
宿泊の場合¥1,000/45分
【利用時間】
チェックイン〜翌1:00、5:00〜10:00
【貸切風呂の予約方法】
チェックイン時

▼施設情報
【部屋数】
和50室(バストイレ付き50室) 和洋4室(バストイレ付き4室) 洋6室(ユニットバス6室)(365名)
【駐車場】
100台
【施設】
宴会場・カラオケ・スナック・居酒屋・ラウンジ・売店・卓球場

▼泉質・効能
【泉質】
含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉
【源泉の温度】
59℃
【湧出量】
-
【源泉の湧出状況】
集中管理した源泉を買っている(引き湯)
【加水/循環ろ過】
○貸切露天風呂「五右衛門の湯」、貸切風呂「千代の湯」、客室温泉風呂、大浴場・・・加水をしない源泉100%かけ流し
○貸切露天風呂「見返りの湯」・・・トルマリン湯
○客室のバス・・・水道水
【加温】
なし
【消毒】
なし
【浴槽の掃除の回数】
1日1回
【入浴剤】
未使用
【効能】
一般的適応症(神経痛、筋肉痛など)の他、高血圧症、動脈硬化症、慢性婦人病、虚弱児童、慢性皮膚病、切り傷、やけど
【湯の色】
無色透明
【飲用】
不可
【飲用の効能】
-
【におい/味】
硫化水素臭

▼日帰り貸切情報
【料金】
入浴料お一人様¥800+貸切料¥1,000/45分
【利用時間】
11:00〜19:00
【食事付きプラン】
あり

▼こだわり情報
【近くのコンビニ】
徒歩で10分
【携帯アンテナ】
ドコモ(MOVA):2本
ドコモ(FOMA):3本
ソフトバンク:2本
au:3本
【冷蔵庫】
スイッチ付き自動計算(持ち込みのドリンクを入れるスペースあり)
【その他情報】
シャンプー:△
リンス:△
リンスinシャンプー:◎
ウォッシュトイレ:◎

▼CHECK!
江戸時代より、浜街道唯一の温泉宿場町として栄えた、いわき湯本。
この地で「元禄彩雅宿 古滝屋」は、元禄8年(1695年)に創業した。
当時は、客室6室だけの湯治宿で、この時は「滝の湯」という屋号だった。
この時代、湯本地区には、すでに50軒ほどの宿が軒を連ねていたという。
寛保から延享年間(1742〜1745年ごろ)には、湯治客の数が激増し、年間2万人の人々がこの地に訪れていたとの記録がある。
安政2年(1856年)には「滝の湯」という屋号を「古滝」と改称する。

慶応4年(1868年)、戊辰戦争が勃発すると、新政府軍と旧幕府軍が戦火を交え(磐城の戦い)、宿は全館焼失してしまう。
だが、翌年にはすぐに再建。
明治20年(1887年)の「湯本温泉泊客数書上」によれば、この時最も宿泊者が多かったのが、「古滝」だったと記載されている。

この時代の前後、福島県〜茨城県の海岸線に面する丘陵地帯にかけて、炭鉱開発が始まる。
その開発途中、鉱山の坑道から温泉が湧出し、炭鉱夫を悩ませていたという。
勿体無い話だが、その湯は汲み上げて川に流し捨てていた。
その後、無限に湧き出てくると思われた湯脈は徐々に衰退していき、大正8年(1919年)には、地表への噴出が完全に止まってしまったという。
それでも「古滝」は、石炭をたいて湯を沸かし、休まず営業を継続した。
炭鉱側との協議により、温泉が復活することができたのは、昭和17年(1942年)のことだった。新しい湯脈が発見され、それにより炭鉱会社と湯本財産区の間で、送湯契約が結ばれ約30年ぶりに温泉の利用が再開されたのだ。

その後、石炭から石油へと時代が移り変わり、炭鉱会社が「常磐ハワイアンセンター」を創業(1966年)。
当初は、「10年続けばいいだろう」という悲観論が多かったが、初年度から多くのお客で賑わった。
日本は高度成長に沸いていたが、庶民にとって「ハワイ」はまだまだ遠かった時代。手軽にリゾート気分が味わえ、また温泉テーマパークの先駆けとして、ヒットする要因が多かったのだ。
いわき湯本温泉も恩恵を受け、その名を広く知られるようになる。当然宿泊客も急増していく。
木造3階建てだった「古滝」も、1968年(昭和43年)に増改築。全35室となり、「ホテル古滝」と改称。
1976年と1982年にも増改築を行い、現在の「太平の館」が生まれ、客室数は57室までに増えた。
温泉に関しては、1976年に常磐炭鉱の跡地からボーリングを開始。地下800m地点から、毎分5,000リットルもの量が湧出するようになった。

紆余曲折を経たこの宿も、順調なステップを踏みはじめた。
1989年(平成元年)には、十五代目当主・里見庫男(くらお)さんが社長に就任する。
1991年、「温泉旅館すみれ」を買収。こちらは現在、「スパホテルスミレ館」として営業している。
通常いわき湯本温泉は、一度貯湯場に貯められ、各宿に配湯されているが、この「スミレ館」は、湯舟にそのまま直結しているのだ。
そのため、温泉の含有成分も非常に濃厚。湯の色は、白濁湯からエメラルドグリーンまで、日によって変化するという。
「古滝屋」にお泊りでもこちらの大浴場が利用できるので、湯巡りをしてみるといいだろう。

1992年には、新館・元禄の館が誕生。
この時、現在の露天風呂付き客室も生まれている。
1993年になると、屋号を「元禄彩雅宿(げんろくさいがじゅく)古滝屋」とした。

2009年4月、十五代目当主・庫男さんが68歳で亡くなる。
1999年から10年間、いわき市観光物産協会長を務め、「野口雨情記念 湯本温泉童謡館」の設立に寄与、同館長を務めるなど、旅館経営をしながら地域の観光振興に尽力をつくして来た。
彼の残した足跡、各種発足させた団体など、この温泉地に長く継承されていくことだろう。

現在、この宿を指揮しているのは、庫男さんの奥さんで女将を務めてきた明子さん。今も夫が愛したこの宿を守り、接客に勤しんでいる。
宿の本部長を務め、十六代目当主にあたるのが、長男の喜生(よしお)さん。
1968年に生まれた喜生さんは、地元の高校を卒業後、大学に進学する。
この頃は、「旅館業を継ぐのが嫌だった」とのこと。大学卒業後は、大手住宅メーカーに入社。
4年間営業として働き、表彰を受けるほどの優秀な成績を残していた。
この頃、実家である宿には、年2回ほど帰省していたが、宿泊客に無愛想に応じるスタッフを見ては、愕然としたという。
「私が営業でしてきたお客様への接し方とは程遠く、帰省するたびに恥ずかしさが込み上げて来た。」と、喜生さんは当時を思い出す。
そんな気持ちを抱えながら、1995年、メーカーを退社する決心をした。
そして1年間、福島県内の他の宿で旅館業を修行した後に「元禄彩雅宿 古滝屋」に戻った。
「私の接客の知識を、今いる社員たちに伝えたい。宿を変えていきたい。」そんな強い思いがあったのだ。

1996年、宿に入社後、喜生さんは社内改革から行っていく。
当時は、接客レベルの低さだけでなく、遅刻は当たり前と思うような、プロ意識のないスタッフたちが多かった。
そこでまず、お客にアンケートをとることから始めた。どのスタッフの接客に満足したか、不快であったかハッキリさせたのだ。遅刻に関しては、罰金制を設けた。
そして、大学の新卒者を積極的に採用。
既存社員の意識の改革、若いスタッフの向上心によって、次第に社内の空気が変わっていったという。

宿に戻ってから7年ほど過ぎたころ、喜生さんは旅館組合の青年部長となっていた。
他の温泉地の方とも交流するようになると、地域全体の活性化を考えるようになる。

そして、2001年(平成13年)に「日本温泉保養士協会」を設立。
温泉保育士、いわゆる「バルネオセラピスト」の育成に取り組んだ。
「温泉のプロが、正しい知識を得るのは当たり前。温泉療法、予防医学の観点から、よりお客様に満足していただける環境を作っていく。」と考えたのだ。
「バルネオプログラム」という、温泉・食事・運動の、3拍子揃った現代版湯治体験も売り出し、反響をよんだ。

その頃より喜生さんは、バリアフリーの重要性を考え始める。
「足腰の不自由な方も、いわき湯本の温泉で体を癒して欲しい。」
そして、入浴補助用の椅子を開発から手がけ、2006年に“回転木製台座式入浴補助椅子”の「くるっとちゃぽん」を商品化した。
その後は、誰でも客室で源泉かけ流しの湯が楽しめる、ユニバーサルデザインルーム「花心楼」を誕生させた。
また、「花心楼」では、“泊食分離”型の滞在も可能とした。
利用方法でも選択肢を設け、様々なお客にあわせた環境作りに取り組んでいる。

宿の公式HPには、喜生さんが毎日更新している「若だんなのブログ」がある。
これを見ると、いかに彼が忙しく動き回り、地域活性化に取り組んでいるのか分かる。
喜生さんが手がけた取り組みは、「スパトライアストロン」、「へルスツーリズム」、「ヘリテージツーリズム」、「いわきフラオンパク」などなど・・・その実行力には頭が下がる。

また、宿の公式HPを見てみると、基本プラン以外に、お得な宿泊プランを打ち出している。
ファミリーの旅行にオススメなのが、平日限定の「幼児料金サービス!パパ・ママ気軽に温泉旅行プラン」。
こちらは、幼児の宿泊料金無料というだけでなく、館内の貸切風呂が2回無料サービスとなる。
珍しいプランでは、「選べる滞在スタイル!30時間ロングステイプラン」がある。
こちらも平日限定だが、
@初日夕食、翌日朝食+昼食+20:00チェックアウト
A初日夕食なし、翌日朝食+昼食+夕食+20:00チェックアウト
どちらを選んでも、30時間のロングステイでのんびりと過ごせるのだ。
昼食は、館内のレストランで「海鮮丼」がいただける。
さらに、貸切風呂3ヶ所が1回ずつ無料で利用できる。
8種類の館内割引券も付く。
平日休みの方は、これ以上ないお得なプランであろう。
また、公式HPで出しているほとんどの宿泊プランが、旅行代理店のサイトの料金よりも、割安になっている。
宿の公式HPで直接予約をした方がお得ということだ。

地域のヒットメーカーである里見喜生さんのアクティブな動きには、多くのマスコミが注目し、様々な媒体のメディアで取り上げられている。
2006年には、テレビ東京系列「ワールドビジネスサテライト」出演。
2007年、日本テレビ系列「おもいっきりいいテレビ」出演。
2009年、雑誌「DIME」の“若旦那・若女将が温泉宿をCHANGE”という特集でも、取り上げられている。
「いわき市は、山があり海もあり川もあり温泉もある。国内だけでなく、世界中から人が来るような場所にしていきたい。そのためには、他の人の2倍も3倍も頑張ろうと思っています。」と、「明日を拓いた40の経営術(財界21発行)」という本のインタビューで語っていた。

現在いわき市は、炭鉱の町から、東北地方にありながら首都圏に近いリゾート温泉地として変貌を遂げつつある。
湯量豊富な硫黄泉は泉質もよく、温泉ファンも納得の湯だ。
その中でも、老舗旅館の「元禄彩雅宿 古滝屋」は、子ども連れのご家族から、ご夫婦やカップル、高齢の方や足腰の不自由な方まで、どんな客層でも受け入れる体勢にある。
実際、客層は幅広い。

言うなれば「元禄彩雅宿 古滝屋」は、個人客にもグループ客にも満足させることができる要素が詰まっているということだ。
「温泉旅館」とは、温泉をお客に提供している宿のこと。
しかし、実際の日本の「温泉旅館」は、お湯を循環させたり、塩素消毒をして、温泉そのものの成分まで殺している場合が多い。
そんな中で、この客室数の規模で、「源泉かけ流し」にこだわる宿の姿勢が嬉しくなる。
これからも、スタッフ全員が、「温泉エヴァンジェリスト」の自覚を持って、ゲストに接してほしい。
「温泉」がどれだけ素晴らしいか、どれだけ人に良い影響を与えてくれるかを、どんどん啓蒙していってほしい。

確かに一部の客室を除いては、宿全体のイメージは今風のお洒落な感じはしない。
でも、それは本質的なことではなく、問題は宿の「中身」にある。
経営者が「温泉」について研究し、感謝の念を忘れなければ、その宿の未来は明るい。
まさに「元禄彩雅宿 古滝屋」は、いわき湯本温泉のリーダーとして、今後もその責任を負う立場にある。
「温泉」を今よりさらに分かりやすく、そして興味深くゲストにアピールできたら、この宿のキャラクターは鮮明になり、さらに新しい客層を増やすことができるだろう。
この無尽蔵の源泉量、そして極上の泉質。そして、温泉を誰よりも愛する里見喜生という若旦那がいる限り、それは絶対に可能だと正直に感じた。(J/IZ)

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